茶道 南方流
南方流茶道の紹介動画
博多 円覚寺が代々受け継ぎ続ける、千利休の教えをもとにした"南方流"の茶道
円覚寺では、利休の茶の秘伝がしるされた「南方録」をもとに、「茶道南方流」を伝え継いでいます。
「南方録」とは現在では茶道を学ぶ上で流派を問わず必読される書物でございます。
■南方流の歴史
【戦国時代~安土桃山時代】
●千利休の侘び茶の教えをあますとこなく書き綴られた唯一の秘伝書
利休の侘び茶の秘伝書は、水屋で支えた禅僧「南坊宗啓」によって著されたものでございます。南坊宗啓は堺の南宗寺の塔頭・集雲庵の第二世住職であり、一休和尚の孫弟子にあたる人物で、利休と同じく堺の出身でございます。
宗啓はこの集雲庵に住するかたわら、長年にわたり利休に仕え、その折々に聞いた教えを詳細に書き留めました。利休の言動を余すところなく筆録したこの巻物は、全七巻にまとめられております。そのうち六巻までは、著述に誤りがない旨を利休自らが奥書に記しております。
残る一巻は利休の没後に南坊によって記されたものであるため、利休の奥書はございません。
その後、南坊は利休三回忌の折に仏前へ回向を捧げたのち、行方を告げることなく出庵されたと伝えられております。それ以来、この巻物の所在は明らかではありませんでしたが、南坊ゆかりの方々のもとで、茶道具などの遺品とともに保管されていたようでございます。
【江戸時代~明治時代】
●福岡 黒田藩士 立花実山が「南方録」を編纂
約百年後、黒田藩士立花実山が、三代藩主光之公が参勤交代で江戸へ上るのにお伴した折に、その巻物五巻を発見し筆写されました。さらに翌年、南坊宗啓の縁者を訪ね、残る二巻を見つけ筆写し、先の五巻とあわせて七巻の書き写しを終え、福岡に持ち帰られました。
ちなみに現物は書物ではなく、巻物と一枚一枚の切り紙であったとされております。それを立花実山が編纂し、冊子本とされました。
この利休秘伝書には名前がなかったため、かねてより実山の禅の師であった崇福寺の古外和尚にお願いしたところ、「南方録」と命名されました。
「南方録」の名前の由来は、中国の『茶経』という本の劈頭にある「南方の嘉木七碗仙霊に通ず」という句によるもので、茶の本という意味でございます。こうして利休の侘び茶を伝える秘伝書「南方録」が完成いたしました。
立花実山は、生涯を通じて藩主光之公に仕えた武士であり、茶道はもちろん、書画や詩文、弓道に秀でておりました。また、崇福寺古外和尚のもとで修行し、古外和尚が京都へ戻られた後は、江戸で当時の一代名僧といわれた卍山道白禅師に就き、蘊奥を究めて印可を受けておられます。まさに文武両道の当代きっての文化人でございました。
実山は南方録を入手されてから茶道の研鑽を重ね、実践されました。
「南方録」の披見は、誓紙・血判をとったうえで読み聴かせる形により、極めて限られた範囲の中で厳重に行われていたことが、実山が後に記した『岐路弁疑』という書物に記されております。
容易に見ることは許されなかったものの、断絶することを恐れた実山は、この秘伝書発見時からの僚友であった衣斐了義と話し合い、四名の弟子に書写を許し伝授しました。実弟である立花寧拙(延享二年・一七四五年没、享年七十三)、衣斐固本(衣斐了義の子)、大賀如心、立花不白(道)(実山の子)です。
現在、「南方録」の所在が判明しているのは、後に円覚寺住職が受け継ぐ実山自筆本と弟の寧拙本です。
弟・寧拙の「南方録」には、各巻末(「滅後」を除く)に実山が校閲したことを示す奥書が記されているほか、紫墨書の注記が加えられております。現在は福岡市博物館に保管されております。他の二冊の行方はわかっておりません。
実山の死後、まだ披見を許されていなかった笠原道桂が、先の弟子達によって第二回の伝写を許され、そのことは実山の霊前に告げられました。
この時、道桂は「南方録」とはせず、「南坊録」とされました。
それから道桂はこの南坊録を携えて江戸に上り、藩邸勤めの折に旗本の安藤定房に書写を許しました。それより江戸を中心に次々と写本が流布することとなり、「南坊流」として豊橋、加賀、京都などへ広がりを見せます。
現在流布する「南坊録」と称する写本は、転写につぐ転写によって書き足しや誤記、脱字が甚だしくなってしまいました。
写本の「南坊録」が流布するとともに、江戸では南坊流が盛んに行われ、黒田藩士の櫛橋雪心が江戸勤めの折に、道桂・定房の流れをくむ江戸の南坊流の皆伝を受けました。
福岡に戻った後、「南坊流」の再興に尽力されます。実山の血縁である立花遊は、「少壮の時から南方流の点茶、世に衰えたるを聞き、感慨に堪えて回復する志を立て」、雪心に入門し、長年の修行鍛錬により、雪心の子である松意とともに奥意を究め、伝承を受けました。
福岡では「南方録」は立花家の間で護持されており、立花家の血縁である立花遊は、江戸の南坊流が長い年月の間に実山自筆の「南方録」と少なからぬ相違を生じていたため、「旧業に復せん」ことに努めました。
雪心が病に倒れた後も、遊は南方録やその他の立花家に伝わる旧記と照合し、日夜切磋して、ついに地元福岡における「南方流」再興の大業を成し遂げられ、一百有余の門弟を数えるに至りました。
【大正時代~現在】
●大正時代に博多円覚寺に伝承
「南方録」は立花遊より弟子の津田蘇山、河村虎山と伝承され、大正時代はじめに円覚寺十七世住職龍淵猷山和尚が快伝されました。
それよりは円覚寺住職が代々引き継ぎ龍淵環洲和尚、龍淵孔道和尚と受け継がれました。
令和時代である現在も「茶道南方流」は多くの方に愛され、利休から受け継いだ"侘び茶の心"を人々に繋ぎ続けています。
■茶道南方流の特徴
●禅の教えと深く結びついた深みのある茶道
南方録の冒頭に、「小座敷の茶の湯は、第一佛法を以て修行得道する事也。家居の結構、食事の珍味を楽とするは俗世の事也、家はもらぬ程、食事は飢えぬ程にてたる事也。是佛の教、茶の湯の本意也、水を運び、薪をとり、湯をわかし、茶をたてて、佛にそなえ、人にもほどこし、吾ものむ、花をたて香をたく。みなみな佛祖の行いのあとを学ぶ也」とあります。
茶もいろいろございます。道具の茶、骨董の茶、交際の茶、美食の茶、芸術の茶、様々ありますが、茶の本道は修行による人格の向上、和敬の道こそが本意であります。それでこそ初めて禅寺でやる意味があります。
また水を運び薪をとるとは、釈尊が修行中、師に仕え先輩に仕えて、水を運び、薪をとり修行して正覚を開かれた姿こそ、茶の修行に通ずると云う意味があります。茶室に入る人を佛にみたてて、実意を尽くして茶を点てると云う程の意味でございます。
円覚寺に南方流が伝授され百有余年、禅茶一味に稽古しております。
円覚寺では千利休茶道秘伝本「南方録」をもとに、南方流の茶道教室を開催しています。
できる限り一対一で初心者の方にもわかりやすく丁寧にご指導いたします。
風情豊かな円覚寺の茶室で、美しいお庭を眺めながら、あわただしい日々を離れ、一服の茶を点ててみてはいかがでしょうか。
■令和8年度稽古日
【5月稽古日】
9日(土)
12日(火)
23日(土)
26日(火)
【6月稽古日】
9日(火)
6日(土)
20日(土)
23日(火)
【7月稽古日】
4日(土)
7日(火)
18日(土)
21日(火)
【8月稽古日】
お休み
【9月稽古日】
1日(火)
12日(土)
15日(火)
26日(土)
【10月稽古日】
17日(土)
20日(火)
24日(土)
27日(火)
【11月稽古日】
7日(土)
10日(火)
24日(火)
28日(土)
【12月稽古日】
1日(火)
5日(土)
8日(火)
12日(土)
■令和8年茶会日程
10時より初釜茶会
点前菴主
前日10日(土)9時半より準備お手伝いよろしくお願い致します。
10時より南坊忌献茶会
前日18日(土)9時半より準備お手伝いよろしくお願い致します。
16時より聖福寺開山忌前晩献茶式(点前菴)
※献茶式のみ
同日14時より準備お手伝いよろしくお願い致します。
10時より香椎宮献茶式
引き続き報恩寺野点茶会
前日3日(土)9時半より準備お手伝いよろしくお願い致します。
11時より、円覚寺開山忌
例年の開山忌ですが歴代菴主の読経もしますので、今後は理事役員の方のみご案内しますのでご参拝下さい。平服で結構です。献茶はありません。持ち帰り弁当をご用意します。
10時より実山忌献茶会
前日14日(土)9時半より準備お手伝いよろしくお願い致します。
■令和9年茶会日程
10時より初釜茶会
点前菴主
前日9日(土)9時半より準備お手伝いよろしくお願い致します。
■茶道教室に関するご予約・お問い合わせ
※当日だけの茶道体験はしておりません。
※観光拝観もしておりません。
【茶道教室 新規入門受付中】
令和8年度新規入門を受け付けます。
※希望者多数の場合は入門人数を限らせて頂きます。
まずはお電話かメールでご連絡の上、下記稽古日の火曜か土曜にご見学にお越し下さいませ。
【ご見学希望の方の注意事項】
●見学希望者多数の為恐れ入りますが、見学は茶道南方流に「入門」される意思のある方だけに限らせて頂きます。
●体験は並段着でお越しください。道具などの準備は必要ありません。ご説明の後にお茶菓子で体験していただきます。
●茶道は長い時間をかけて習得するものです。短期間の入門をご希望の方は申し訳ありませんがご遠慮ください。
●稽古は原則正座です。他の方の稽古を見学される際は足をくずされても構いません。足のしびれやすい方は、正座椅子をご使用ください。※正座が困難な方は、椅子での稽古も可能です。男性のあぐらでの稽古も行っています。詳しくはお申し出下さい。
●茶会の準備や掃除、水屋の仕事なども稽古の一つです。できる範囲でのお手伝いをお願いしております。
●他流派を学んでいた方も入門できます。ただし南方流の点前は独特ですので最初から学んでいただくことになります。ふくさなどはそのままご利用いただけます。
※駐車場は円覚寺法要等の場合は檀家さまを優先します。
※満車の際は近隣のコインパーキングをご利用ください。
■稽古 茶会■
火曜14時〜22時頃まで(受付20時まで)
土曜14時〜18時頃まで(受付17時まで)
●来られた方より順番に稽古をはじめますので、待ち時間や他の方の稽古の見学などもしますので、時間に余裕をもってお出でください。予約はできません。先生の指名もできません。
■入門料 年会費■
・入門料5,500円(税込)
・年会費5500円(税込)〔4月から3月まで ※入門初年度は免除〕